塾年ばんざい 2025年2月・3月号 掲載分
成人の30〜40%が何らかの不眠症状があるとされています。
加齢とともに不眠症状は増加し、60歳以上では半数以上の方で認めらており、もはや国民病とも言えます。
中国鍼治療専門家、 まつば接骨院&鍼灸院の針龍先生に、 不眠症の鍼治療について伺 いました。
不眠症の原因は?
不眠の原因はストレス、加齢、精神障害、アルコ ール等、色々挙げられますが、東洋医学の見地からは、 以下の5つのタイプに分けられています。
①肝火上炎型
寝入りが難しいタイプで、経営者や怒りやすい方によく見られます。
感情亢進で悶々として目がさえて眠れません。
②心脾両虚 (しんぴりょうきょ)型
過労や思い悩み過ぎが原因で心の 「血」と脾の「気」が損傷している体質です。
途中に目を覚ましやすくなります。
③心腎不交 (しんじんふこう)型
性生活の不摂生や腰の過労で腎の陰液が消耗し、そのために熱を抑えきれず心火が生じている体質です。
④心胆気虚 (しんたんききょ)型
過度の精神的ストレスや恐怖により、 五臓の心と六腑の胆の気が弱っている状態で、眠くても眠れないタイプの不眠です。
⑤脾胃不和型
過度の飲食により胃袋が膨らんで心臓を圧迫する「心下満」タイプです。
将来、脳梗塞の危険性も増すとされています。
鍼灸治療は不眠改善に役に立つの?
鍼治療は薬物を一切使わず、グリーン療法とい われています。
色々な慢性疾患の治療に用いられますが、特に不眠の鍼治療は大いに効果を上げています。
不眠の鍼治療はどんなものですか?
前述の不眠のタイプを踏まえ、それぞれの経絡に辿り、当てはまる ツボに鍼で刺激します。
例えば心腎不交型の場合は、まず腎臓経絡の原穴である太谿を選び、腎陰を補い、次は心臓経絡の神門に刺し、瀉法をおこない、心火を冷めて陰陽バランスを取り、安眠を図ります。
不眠の鍼治療。期間・時間・費用は?
前述の不眠のタイプを踏まえ不眠の タイプにもよりますが、 概ね1〜3クー ル (1クー ル10回) で完治できるでしょう。
1回の治療時間は 60分〜90分。
費用は自費になり、1回当たり3,800円〜5,000円(税込)になります。
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