57歳 男性 会社員
脊柱管狭窄症の術後に痛みが残っている方や、坐骨神経痛に悩まされている方から多くご相談をいただきます。
マッサージだけで一時的に和らぐ場合もありますが、症状改善には根本的なアプローチが必要です。
当院では坐骨神経痛に対応した施術のほか、ご自宅で行えるストレッチもお伝えしています。
回答
ご質問いただきありがとうございます。術後も痛みが続いていること、大変お辛いこととお察しします。
脊柱管狭窄症の術後も症状が残存したり、再発したりするケースは決して稀ではありません。
諦めずに適切な対処法を見つけていくことが重要です。
まず、最も重要な注意点からお伝えします。
【重要なお願いと注意点】
1. まずは主治医の診察を必ず受けてください:術後の経過や現在の痛みの原因(手術部位の癒着、新しい神経の圧迫、手術以外の要因など)を正確に判断できるのは、あなたの病状を詳しく知る主治医です。
整骨院へ行く前に、まずは整形外科を受診し、現状を相談してください。
2. ストレッチや運動は自己判断で行わないでください:術後の状態は人それぞれです。
現在の痛みの原因によっては、ストレッチが逆効果になる場合もあります。
ご紹介する方法は一般的なものですが、主治医または理学療法士の指導のもとで「行って良いかどうか」の許可を得てから、慎重に開始してください。
3. 痛みが増す運動は直ちに中止してください:「痛気持ちいい」程度は構いませんが、「激痛」や「しびれが増す」ような運動は、神経を損傷している可能性があります。
無理は絶対に禁物です。
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マッサージ以外で痛みを改善する方法
整骨院のマッサージで一時的に痛みが治まるのは、筋肉の過緊張が緩和されるためです。
しかし、根本的な原因(神経の圧迫や癒着など)が解決されていないため、完治に至らないのでしょう。
マッサージ以外のアプローチとして、以下の方法が考えられます。
これらを組み合わせることが、改善への近道です。
1. 医療機関での再評価と治療
· 整形外科受診:MRIなどの画像検査で現在の脊柱管の状態を確認します。
神経ブロック注射(硬膜外ブロックや神経根ブロック)など、薬で痛みを抑える治療法が非常に有効な場合があります。
· ペインクリニック:痛みそのものを専門に扱う科です。神経ブロックなどの専門的な疼痛管理を受けることができます。
· 理学療法士による指導:あなたに適したストレッチ、筋力トレーニング、日常生活の動作指導をしてもらえます。
2. 薬物療法
· 消炎鎮痛剤、神経障害性疼痛治療薬(リリカやトラムセットなど)、ビタミン剤など、内科的なアプローチも重要です。主治医と相談してください。
3. 運動療法(筋力強化)
· マッサージは筋肉を「緩める」ことですが、根本的解決には「支える力」が必要です。
体幹(コア)やお尻、脚の筋力を強化することで、脊柱への負担を減らし、神経の通り道を確保しやすくします。
· 例:腹横筋(最深部の腹筋)を鍛えるドローイン、骨盤底筋群のトレーニング、お尻の筋肉(大臀筋)のトレーニングなど。これらも理学療法士の指導が必須です。
4. 日常生活の改善
· 姿勢の見直し:長時間の座り姿勢、中腰作業を避ける。座るときは腰にクッションを当て、背筋を伸ばす。
· コルセットの使用:どうしても負担がかかる動作をする時のみ、一時的に使用する(常用すると筋力低下を招くので注意)。
· 体重管理:適正体重を保つことで、腰への負担を軽減します。
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坐骨神経痛に効果的なストレッチ(例)
あくまで主治医の許可を得てから、痛みの出ない範囲でゆっくりと行ってください。
呼吸は止めず、反動をつけずに、それぞれ20~30秒程度キープします。
1. 梨状筋(りじょうきん)のストレッチ
お尻の深い所にある梨状筋という筋肉の下を坐骨神経が通るため、この筋肉が硬くなると神経を刺激します。
特に有効なストレッチです。
· 方法:
1. 仰向けに寝ます。
2. 右膝を曲げ、両手で膝を抱え込みます。
3. その状態で、右足首を左の太ももに乗せます(あぐらをかくような形)。
4. さらに左の太ももを両手で抱え込み、手前にゆっくり引き寄せます。右のお尻の外側が伸びているのを感じます。
5. 反対側も同様に行います。








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